神棚はご家庭のなかにある「小さな神社」のようなものですので、その多くが実際の神社建築の様式を取り入れた形状となっています。
お祀りする神様の系統が異なれば神社の建築様式が異なるように、神棚の選び方についても、大黒様やお稲荷様など、専用のものを求める配慮が必要となる場合があります。
都道府県の神社庁に属している一般的な神社から頒布された御札をお祀りする場合には、白木に切妻屋根の神明造りとよばれるオーソドックスな形状の神棚を用います。これは、屋根の先端に千木という2本の突起があり、棟上には堅魚木を並べたもので、伊勢神宮の建物を模したものですが、伊勢地方では屋根を茅葺きにしたものも用いられています。
恵比寿・大黒は神道でいうところの事代主神・大国主神と同体とされていますが、仏教において祀られることも多いことから、神棚の形状も、屋根の合掌部を丸みを帯びた仏教建築に近いデザインとするものが多いようです。
出雲大社を中心として信仰される大国主神としてお祀りする場合は、大社造りとよばれる、扉や階段の位置が中央よりも右に偏ったデザインのものを用いることもあります。
稲荷神については、狐の御眷属が多く、また位によって御札の寸法も異なることから、他の神社の御札とは別々にして、格子戸のあるものや神具を朱塗りとしたものなど、専用の神棚が用いられます。
最近の家庭では神棚をお祭りする家庭が少なくなっています。昔は、どの家庭でも大小様々な神棚を造って氏神様をお祭りしていました。神棚の設置方法は、西方位、西北方位、北方位において南から東に向くように設置します。1階に設置する場合は、2階で神棚を踏まないようにしますが、どうしても無理な場合は、神棚のある天井に雲と言う字を書いて貼り付けておくと良いでしょう。そうすると、神様に上には何もありませんよと伝える事が出来ます。神様を踏むわけには行けませんからね。
神社に行けばお札を買うことが出来ます。買ってきたお札をお社に入れます。お社は、色んなサイズの物が売っています。豪華でなくてよいので簡素なもので構いませんので購入しましょう。棚にお社を設置して、三宝を置いて飾ります。飾り方は三宝の上に、手前にお神酒を二対おいて、真ん中にお米を置きます。そして、右に塩、左にお水をまつります。塩と水は毎日交換します。酒と米は一日と15日に交換します。お札については、一番手前が自分の住んでいる氏神様で、次に方位の神様の猿田彦神社のお札を祭ります。そして一番後ろにまつるのが、伊勢神宮の天照大神のお札をお祭りします。この順序でお社の中に収めるのが良いとされています。この方法が一般的によく言われる方法です。
お正月などに神社(お寺でも)でお札を買うとおもいますが、そのお札はどこに祀っていますか?机の上にちょこんと置くぐらいではありがたみも半減、効果も半減です。お札はきちんと神棚にお祀りしましょう。仏壇に比べても、神棚はかなりお手軽に買えます。通販なら1万円台という買い求めやすい神棚もけっこう見つかりますよ。